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ログチャートの見方



■株価 見方のトップへ

 対数目盛で週足を表示。同じ上昇(下落)率が等間隔で表され、投資効率が一目でわかります。上昇の角度により上昇率が示されるので、長期的な株価変動を知るのに適したチャートです。

ログチャート 例 8604野村


■対500種弾性値 見方のトップへ

 500種平均株価の上昇率と個別銘柄の上昇率(下落率)を7.5ヵ月(32週)で比較。市場全体に対するパフォーマンスの優劣をグラフ化したもの。以下の公式から計算される。

例 8604野村


 500種平均株価の上昇率と個別銘柄の上昇率(下落率)を7.5ヵ月(32週)で比較。市場全体に対するパフォーマンスの優劣をグラフ化したもの。以下の公式から計算される。

対500種弾性値=   (個別銘柄)直近株価÷32週前の株価

(500種平均)直近株価÷32週前の株価

 弾性値の上昇、下落のトレンドで個別銘柄の勢いを確認できるが、その他にもポイントとして、

(1)天井圏(利食い局面・上値余地少ない)
(2)大底圏(押し目買い・自律反発狙い)
(3)1.00突破(強気局面到来)
(4)1.00割れ(弱気局面到来) などが注目されます。


 対500種弾性値が具体的な株価の動きによってどのような値となるか、6通りの局面を表示します。

個別銘柄
32週間の上昇率
500種平均
32週間の上昇率
対500種弾性値 状況分析
10% 10% 1.00(1.10÷1.10) 全体に連動
10% 5% 1.048(1.10÷1.05) 全体を凌駕
5% 10% 0.955(1.05÷1.10) 全体より鈍い動き
5% -10% 1.167(1.05÷0.90) 全体軟調な中、独歩高
-5% 10% 0.864(0.95÷1.10) 全体好調な中、独歩安
-5% -10% 1.056(0.95÷0.90) 全体軟調な中、下渋る



■相対株価 見方のトップへ

 500種平均株価を500円に固定し、その上で試算した個別銘柄の相対株価をグラフ化したものです。いわば、「市場全体に対する地位」の足跡ともいえましょう。この足跡をチャート化することによって、市場全体に対する相対的な強弱感が一目瞭然となります。具体的には、同じ株価下落にも「下げ渋った下落」と「見切り売られた下落」があることが相対株価によって明示されるのです。現実の株価チャートとは異なる角度からトレンドをみることで、市場全体と比較した人気、不人気の度合いを効率的に知ることができ、銘柄選択の重要な指針となります。

例 8604野村

 基本的には以下の公式で示されます。

個別銘柄株価 ×500円

500種平均株価

 仮に500種平均株価が1200円の時に、ある銘柄の株価が2400円であれば、その銘柄の相対株価は1000円となります。
 つまり、500種平均の2倍の位置にあるという訳です。
 また、株式分割(無償)による新株落ちの際には修正係数を掛けることによって、相対株価に連続性を持たせています。これは1985年以降の株式分割(無償)について対応したもので、1→1.2の株式分割なら、新株落ち後の相対株価には修正係数1.2が掛けてあります。よって、現在の株価が500種平均より低位の銘柄であっても、過去の株式分割(無償)の実績によっては、相対株価で500円以上となることもありえます。
 
 注目ポイントは、
(1)トレンドラインを引くことにより、現実の株価チャートとは異なったポイントでのフシ目を知る
(2)市場全体が急落に見舞われて、それに連れ安している銘柄でも、その相対株価が上昇を続けているものは相対的に強基調にあると推定でき、市場が上昇基調に戻れば、平均以上のパフォーマンスに期待が持てる
(3)市場全体が上昇基調にある中、相対株価の下落に歯止めが掛からない銘柄は、弱基調にあると推測できる。見送りがベター。
(4)過去約5年間における強弱感の推移がわかる。高成長銘柄や環境関連などテーマ性を持つ銘柄などは上昇トレンドを崩していないことが多く、押し目買いに適した銘柄であることがわかる。
などが挙げられます。



■連動性リスト 見方のトップへ

 過去5年間の株価推移をもとに、相関係数(動きの似ている度合い)の大きな銘柄群である「良く似た動き」と、相関係数の小さな銘柄群である「反対の動き」をそれぞれ順にリストアップ。弾性値は株価の上昇と下落のバネの大きさを示したもの。弾性値が1.00以上の銘柄はいわゆる「値動きの良い」銘柄で、1.00以下は「値動きの悪い」銘柄となります。β値は個別銘柄の500種平均株価に対する弾性値であり、全体に対しての値動きの良し悪しを示します。
 
注目ポイントは、
(1)急騰銘柄のリストから、出遅れ感のある銘柄を発掘する
(2)強基調が続いた銘柄に勢いがなくなってきた時に「反対の動き」銘柄を仕込み、相場の転換を先取りする
などが挙げられるでしょう。



■β値ランキングの活用法 見方のトップへ

 対数目盛で週足を表示。同じ上昇(下落)率が等間隔で表され、投資効率が一目でわかります。上昇の角度により上昇率が示されるので、長期的な株価変動を知るのに適したチャートです。

(グラフ1:傾きプラス、切片プラスの直線)
(グラフ2:傾きプラス、切片マイナスの直線)
(グラフ3:傾きマイナス、切片プラスの直線)
(グラフ4:傾きマイナス、切片マイナスの直線)

 もし、ある銘柄の株価変化率(%)をy、日経225種平均の変化率(%)をxとおいて直線を方程式で示すと、y=α+βxということになる。例えば、日経225種平均が10%上昇したら、その銘柄は(α+10β)%上昇する。また、日経225種平均が5%下落したら、その銘柄の上昇率は(α−5β)%にとどまる。β値とα値という2つの変数が存在するので、細かく計算し始めると面倒なことになる。これらの変数をもっと有効かつ簡単に活用するには、基本的な考え方として次のような場合分けに従えばよい。



■日経平均225種平均(あるいは日経500種平均)に対するβ値ランキング 見方のトップへ

●ケース1
日経225種平均(あるいは日経500種平均)が上昇するときに相対的に上昇しやすい銘柄を選別して買いたい。⇒「β値がプラス、α値がプラス」の銘柄を選ぶ(「グラフ1」のパターン)。
●ケース2
日経225種平均(あるいは日経500種平均)が下落するときに相対的に下落しにくい銘柄を選別して買いたい。⇒「β値がマイナス、α値がプラス」の銘柄を選ぶ(「グラフ3」のパターン)。
●ケース3
日経225種平均(あるいは日経500種平均)が下落するときに相対的に下落しやすい銘柄を選別して売りたい。⇒「β値がプラス、α値がマイナス」の銘柄を選ぶ(「グラフ2」のパターン)。

日経平均と8603日興證券の株価推移(週足)

日経平均(週足) 〜2000/9/4

8603 日興證券(週足) 〜2000/9/4



■NYダウに対するβ値ランキング 見方のトップへ

●ケース1
NYダウが上昇するときに相対的に上昇しやすい銘柄を選別して買いたい。⇒「β値がプラス、α値がプラス」の銘柄を選ぶ(「グラフ1」のパターン)。
●ケース2
NYダウが下落するときに相対的に下落しにくい銘柄を選別して買いたい。⇒「β値がマイナス、α値がプラス」の銘柄を選ぶ(「グラフ3」のパターン)。
●ケース3
NYダウが下落するときに相対的に下落しやすい銘柄を選別して売りたい。⇒「β値がプラス、α値がマイナス」の銘柄を選ぶ(「グラフ2」のパターン)。



■円相場に対するβ値ランキング 見方のトップへ

●ケース1
円相場が上昇するとき、すなわち円高のときに相対的に上昇しやすい銘柄を選別して買いたい。⇒「β値がプラス、α値がプラス」の銘柄を選ぶ(「グラフ1」のパターン)。
●ケース2
円相場が下落するとき、すなわち円安のときに相対的に上昇しやすい銘柄を選別して買いたい。⇒「β値がマイナス、α値がプラス」の銘柄を選ぶ(「グラフ3」のパターン)。

円相場と6761アイワの株価推移(週足)

円相場(週足) 〜2000/9/4

6761アイワ(週足) 〜2000/9/4



■長期金利に対するβ値ランキング 見方のトップへ

●ケース1
長期金利が上昇するときに相対的に上昇しやすい銘柄を選別して買いたい。⇒「β値がプラス、α値がプラス」の銘柄を選ぶ(「グラフ1」のパターン)。
●ケース2
長期金利が下落するときに相対的に上昇しやすい銘柄を選別して買いたい。⇒「β値がマイナス、α値がプラス」の銘柄を選ぶ(「グラフ3」のパターン)。

国際指標銘柄利回りと郵船の株価推移(週足)

国際指標銘柄(週足) 〜2000/9/4

9101郵船(週足) 〜2000/9/4



■原油価格(WTI)に対するβ値ランキング 見方のトップへ

●ケース1
原油価格が上昇するときに相対的に上昇しやすい銘柄を選別して買いたい。⇒「β値がプラス、α値がプラス」の銘柄を選ぶ(「グラフ1」のパターン)。
●ケース2
原油価格が下落するときに相対的に上昇しやすい銘柄を選別して買いたい。⇒「β値がマイナス、α値がプラス」の銘柄を選ぶ(「グラフ3」のパターン)。



■相関係数の見方 見方のトップへ

 β値とα値の組み合わせ、すなわち直線y=α+βxによってその銘柄の株価変化率がどの程度説明されるかということは、相関係数によって示される。厳密に説明すると、相関係数を自乗した値は決定係数と呼ばれ、その大きさが重要となる。例えば、相関係数がプラス0.80ならば決定係数は0.80×0.80=0.64であり、株価変化率の64%がβ値とα値の組み合わせによって説明されるということになる。また、相関係数がマイナス0.70ならば決定係数は(−0.70)×(−0.70)=0.49であり、株価変化率の49%がβ値とα値の組み合わせによって説明されるということである。よって、たとえβ値やα値がプラスかマイナスに大きくても、相関係数がプラスにもマイナスにも大きくなければ(絶対値が大きくなければ)、その銘柄と日経平均やNYダウ等の連動性はあまり強くない。

 また、「β値ランキング(東証1部)」の銘柄は単独で投資するのではなく、ポートフォリオとして数銘柄に分散投資したときにこそ威力を発揮するということも銘記しておきたい。例えば、これから長期金利が大きく上昇すると予想している場合、「長期金利に対する感応度(上昇メリット)」の欄に含まれる1銘柄だけに投資するのではなく、比較的相関係数の自乗値の大きな数銘柄に分散投資したほうが、長期金利の上昇に連動した結果を得られやすい。


 もちろん、β値とα値は時間とともに変化していくので、「β値ランキング(東証1部)」の情報をそのまま盲信することは危険である。しかしながら、こういった限界を十分理解したうえで適切に活用すれば、より有利に投資機会を捉えることができよう。例えば、財務指標から判断してもテクニカル的な強さから判断しても甲乙つけ難い2銘柄が存在していたとしよう。敢えてどちらかの銘柄を選ばなければならないとすれば、β値やα値を比較して、マクロ的な投資環境(例:円安や長期金利上昇等の予想シナリオ)により適合した銘柄を選べばよい。株価指数やマクロ経済変数だけによって銘柄を選択することにはそもそも限界がある。しかし、このように「β値ランキング」をさまざまな局面で活用することによって、より合理的なスタイルで株式投資を行うことが可能となろう。



 なお、GC株式スクール・テクニカル教室(基礎編)第4回(講師:湯山 澄夫 2000年10月3日収録)で当ログチャートの活用法を取り上げました。
 音声とあわせて活用法をご確認ください。