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DMI(方向性指数)の見方
 DMIは「Directional Movement Index」の頭文字をとったもの。日本語では「方向性指数」と呼ばれ、「トレンドの有無」や「トレンドの強弱」を推し測ることができる、順バリ投資に適した指標として知られています。
 DMIは一定期間の変動値幅に対して一方向への動きが占める割合に着目し、現在の相場がボックス相場なのか、それともトレンドを形成しつつある相場なのかを識別します。DMIは「+DI」「−DI」「ADX」から構成される複合指標で、各々が重要な意味合いを持っています。
+DI(Directional Indicator):「プラス」の方向性指数
 プラスの方向性(変動幅に対して、上昇の割合)、上昇に向かう変動性の強さ(相場の勢い)を示します。

−DI:「マイナス」の方向性指数
 マイナスの方向性(変動幅に対して、下落の割合)、下落に向かう変動性の強さを示します。+DIと−DIは共に使い、+DIが−DIを上抜いた時を買シグナル、+DIが−DIを下抜いた時を売シグナル認識の目安にします。

ADX(Average Directional Movement):トレンドの強さを表す
 トレンドの強さ(トレンドのその方向への強さ)、相場が上昇しているか下落しているかに関わらず、相場自体の勢いを示し、±DIを基本にDX(変数)を算出し、平均化したものです。+DI、−DIと共に使い、+DIが−DIを上抜いた後、 ADXが−DIを上抜いた時を買いシグナル、+DIが−DIを下抜いた後、ADXが+DIを上抜いた時を売りシグナル認識の目安にします。また、ADXが反転した場合は、方向性の強さが減少、または増加に転じたことを示しますので、トレンドがピークアウトする前後と認識されます。

■DMIの計算式(日ベース)
1.変数DM(Directional Movement)の計算
 当日のDM=
 @当日の高値から前日の高値を引いた差
 A前日の安値から当日の安値を引いた差
 B0(ゼロ)
……の3つに区分されます(@Aはマイナスの可能性もあります)。

2.DMを+DMと−DMに分別
 (@当日の高値から前日の高値を引いた差)≧
 (A前日の安値から当日の安値を引いた差)の時
   当日の+DM=当日のDM
   当日の−DM=0(ゼロ)
 (@当日の高値から前日の高値を引いた差)<
 (A前日の安値から当日の安値を引いた差)の時
 当日の+DM=0(ゼロ)
 当日の−DM=当日のDM

3.TR(True Range)の計算
 当日の高値と安値の差
 当日の高値と前日の終値の差
 当日の安値と前日の終値の差
以上の3つの値幅の最大値を当日の実質値幅と考えます。DMIでは、TRの平均値ATR(Average True Range)が使われます。

4.+DM、−DM、ATRに基づき、+DIと−DIを計算
 当日の+DI=(直近n日間の+DMの平均)÷直近n日間ベースのATR
 当日の−DI=(直近n日間の−DMの平均)÷直近n日間ベースのATR

5.変数DXを計算し、その直近m日間での平均をとったものがADXです
 当日のDX=(当日の+DIから当日の− DIを引いた差)÷(当日の+DIと当日の−DIの和)
 当日のADX=直近m日間のDXの平均
 
 通常は日足で14日間、週足で14週間、月足で14カ月が使われます。


■DMIのポイント
+DIは「プラス」の方向性を示すので、ローソク足の動きと相関します。
−DIは「マイナス」の方向性を示すので、ローソク足の動きと逆相関します。
+DIが−DIより上方にある時は株価は上昇トレンド、或いは上昇基調にあるといえ、その差が大きいほど相場の勢いは強いと解釈されます。
−DIが+DIより上方にある時は株価は下降トレンド、或いは下落基調にあるといえ、その差が大きいほど相場の勢いは強いと解釈されます。
ADXは上昇・下落トレンドの強さ(相場の勢い)を表すので、+DIとADXがともに上昇している時は「上昇トレンドの勢いは強い」といえ、また−DIとADXがともに上昇している時は「下降トレンドの勢いが強い」といえます。
+DIが上向き、−DIが下向き、ADXが上向きに3本クロスしているポイントは、買いシグナルと認識されます。
+DIが下向き、−DIが上向き、ADXが上向きに3本クロスしているポイントは、売りシグナルと認識されます。

 −DIが+DIを上回ると下降トレンドの到来、+DIが−DIを上回ると上昇トレンドの到来を、各々示唆することになります。ADXの水準が上昇していく場面は、トレンドが勢いを増していく様子を表します。


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