どうして、「銘柄選定」と「売買タイミングを捉える」ことは大切なのでしょうか?
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「銘柄選定」と「売買タイミング」。どちらも、投資を成功させる上で欠かせない大切な分析作業です。詳しく述べてみましょう。業態や歴史による企業の特徴が、株価の水準や値動きの特徴に現れることになります。企業の定性的特徴は、それぞれの企業が持ち合わせる普遍的な要素です。象と虎の外見や性格が突然入れ替わることはありません。それぞれを同じ草原に放し、観察するとします。すると、両者は全く同じ環境に放たれたのにもかかわらず、違う行動をするでしょう。また、乾期に放した場合と、雨季に放した場合など、時期によっても両者の行動は異なってくるはずです。その差は、個性から出てくると考えていいですね。銘柄選定の使命は、まさに、企業の個性を見抜くことから始め、どの季節にどちらの個体に投資するのが有利かを決めて行く事なのです。




■銘柄選定

「銘柄選定」の実際。例えば、値動きを例に考えてみましょう。株価がよく動く銘柄とあまり動かない銘柄があります。時には、値がつかない銘柄もあります。



もし、あまり動かない銘柄を選んでしまった場合、1円、2円しか動かず手数料分を稼ぐのもやっとということもあります。また、市場に流通する株券が少なく、商いがあまりない銘柄を選んでしまうと、買い手はあなたが最後で、他にはだれもいないとすれば、いくら売却したくても買い手がいないのが当然ですね。思うように売買できないと、売値の希望価格をいくら下げても値が付かないという、おそろしい状況を作ってしまうことになります。ですから、株価がよく動き、自由に売買することができる銘柄を選ぶ必要があるのです。


他にも、銘柄選定にはたくさんの分析項目が考えられます。季節に循環的に売買される銘柄があります。これを、季節性がある銘柄と呼びます。清涼飲料やビールの売り上げは季節性がありますね。株価も当然それを反映して動くはずです。

工業素材を輸入販売する企業は為替にも景気にも左右されます。そこで、景気敏感株とか、為替連動銘柄として選定されます。




■売買タイミングの捉え方

それぞれの銘柄の特徴を押えたうえで、さらに、「売買タイミングを捉える」ことで、投資の成功はより確実になります。

定性的な特徴を捉えているのですから、該当銘柄が今は上昇期にあると推察されるとします。しかし、そのあなたの分析した内容は、おそらく他の市場参加者も同様に思っているはずです。だからこそ、あなたの「上がるはず」という思いと同じ考えの人が市場にたくさん溢(あふ)れ、たくさんの買った人と、わずかな偏屈なへそ曲がりの売り手が存在する状況があったと想定されます。つまり、買い手ばかりの市場で、ちょっと変った人の言値で高く買いつけたことになっているかもしれません。この判断が正しければ、やがて、買い手不在の市場に変化し、株価は下げ続けることになります。銘柄選定では「これから上がるトレンドにある」と判定されながら、株価が下がっていくことになります。こうした納得しがたい株価の変動を、あまり色の付いていないレンズで観察して、この先株価が上がるのか?下がるのか?を推察する作業。それが、売買タイミングの分析です。



ここでは、株価の値動きだけを純粋に波形として捉え、上向きに転じたら買う。下向きに変化したら売るというシグナルに置き換えます。投資する銘柄はすでに決めてあるか、保有しているのですから、次に売るか買うかのサインが確認できるまで待つのです。この、売買サインを待つという掟(おきて)が、定性的な投資価値判断にとらわれ過ぎて、市場の買い手と売り手の増減を見逃す不手際をなくしてくれるはずです。




どのような銘柄でも、一本調子で永遠に上がり続けること(下がり続けること)はありません。上がったり下がったりします。上がる時に買いで保有すれば、上昇のトレンドに乗ることができます。しかし、もし下がり続けている時、すなわち下降トレンドで買ってしまったらどうでしょうか。損失が膨らみます。



例えば、「友達が多くのリターンを得たから私も買ってみようか」と思われることもあるのではないでしょうか。しかし、お友達が保有されていた時期のトレンドと、あなたの保有しようとする時期のトレンドは異なるかもしれません。お友達は、上昇トレンドに乗り保有し、その後売却して利益を得たかもしれませんが、あなたが買う段階では、その銘柄は高値圏にあるかもしれません。そうするとこの後待っているのは下降トレンドです。下降トレンドに入ってしまえば損失が増える一方です。



ですから、売買タイミングを捉えることが重要なのです。

(2010/6/11掲載)
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